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武州足立郡馬喰新田講中の庚申塔

さいたま市から上尾市方面に中山道を歩き、上尾市に入った市境のすこし先、向かって左側にある庚申塔です。
庚申塔は、村境に置かれることも多く、その名残かもしれません。
正面には、青面金剛像がはっきりと彫りこまれています。
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青面金剛は、庚申講の本尊で、三尸を押さえる神とされています。
左右上部に日月が彫られており、青面金剛は邪鬼を踏みつけ、その下に、三猿が配されています。が、三猿ははっきりとは確認できません。
台座の側面には、製作者 石工江戸 岸嶋南新 粟屋勘兵と刻まれ、この塔が江戸の石工によって造られたことがわかります。
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造立者は、武州足立郡馬喰新田講中貳拾人とあります。
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塔左側面には、紀年銘が寛政十二年 庚申歳 十二月吉日とはっきり確認できます。
寛政十二年とは、「かのえさる」西暦1800年光格天皇の御代、将軍は、11代徳川家斉、この年は、伊能忠敬が測量を開始した年、また、徳川幕府最後の将軍、徳川慶喜の父、徳川斉昭が生まれた年です。
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また、塔右側面は、道標となっており、秋葉、平方、川越までの里程がきざまれてます。
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現在は中山道からの分岐を左にそれてもすぐに線路でふさがれます。
当時はここから、水運で栄えた平方や、お城のある川越への旧道があり、ちょっとした交通の要所だったようです。
もしかしてこの塔も江戸から平方まで舟で運ばれてきたのかもしれませんね。
この庚申塔上尾市登録文化財とされています。